第34回テレクラス国際テレビ会議
行事名:テレビ電話・テレビ会議で進める国際理解教育
テレクラス・ザ・ワールド1997
日時 :平成10年 2月11日 (水)
場所 :大阪信愛女子学院 Media Center
ラザーホール グラマースクール
テーマ : "Icebreaker / Get to know each other"
主催 : テレクラス.インタ−ナショナル.ジャパン
財団法人マルチメデイア振興センター
後援 : 文部省
郵政省
国際電信電話株式会社
通信 : ISDN国際回線サービスを利用した2地点テレビ会議
参加校 : 大阪信愛女学院高等学校
ラザーホール グラマー スクール
開催趣旨:プログラム(信愛メディアセンターからの報告メールより)
<メルボルン・大阪:テレビ会議報告>
大阪信愛女学院高等学校では、2月11日(水)建国記念の日に、国際テレビ会議
を実施しました。相手は、オーストラリア・メルボルンにあります姉妹校、ラザー
ホール・アングリカン・スクール(Lowther Hall Anglican Grammar School)です。
日本の夏休みには、信愛からオーストラリアへ、春にはラザーホールから信愛へと、
お互いが相手校を訪ね生徒の家庭にホームステイ。手紙や絵、カードによる交流。
そんな3年越しの関係のある学校同士で、しかも今回のテレビ会議参加者は、双方が、その海外研修に参加した生徒と、今年参加する生徒。会議の印象はとにかく“姉妹校って暖かいなあ”でした。既に海外研修に参加した生徒は、オーストラリアで一緒に過ごし、なおかつ日本にも訪れた生徒の顔を見ると、感慨はひとしおのようでした。
内容は、次の通りです。
メインテーマは icebreaker / get to know each other
挨拶、参加者の紹介に続いて
第1部:相互のプレゼンテーションの交換
日本 豪州
1)現在高校生の間で人気のあるキャラクター vs モダンダンス披露
2)高校生のファッション(普段着、制服、きもの)vs 流行語紹介
3)ヒットチャートのベスト2曲 vs 人気歌手、タレント紹介
第2部:質問・応答コーナー(今回は、日本側から)
「おこづかい」について 「アルバイト」について
「はやっているもの」について
その他の質問
最後に今年、海外研修に参加する生徒たちが互いに挨拶
前半30分、後半30分のスケジュールで行いました。
信愛で総合司会(コーデイネーター)をたて、全体の進行は日本語で進めました。それを日本人の英語教員とアメリカ人の教員が、なるべく同時に近い状態で通訳し、逆にオーストラリア側が英語で話をすると、それをこちらの教員が信愛側に通訳するという形式で行いました。
つまり、双方の参加者全員がほぼ同時に会議の内容を理解できるようにしたかったからです。英語の能力にかかわらずに、会議に参加でき楽しめるようにというのが課題のひとつでした。機械の能力からくるコミュニケーションのタイムラグはどうしても起きるので、人為的な面でのタイムラグだけでも克服しなければ、間延びした会議になるということが経験上わかっていました。今回は相手がほとんど日本語で話してくれたので随分たすけられました。しかしそれでもなかなか大変でした。
もう一つの課題は、メインの参加者だけでなく、一般の参加者全員が、なんらかの形で会議に参加し、単なる観衆になることを避けることでした。そこでメインの生徒はプレゼンおよび質疑応答の中心にし、それ以外の参加者には、O Xの大きなカードを持たせ、第2部の質疑応答のパートで、向こうの質問にビジュアルに全員でYES NOと答えるように手配しました。向こうにも事前に同じカードを用意するようにお願いしテレビ会議の特性を活かしたいと思いました。こちらの目標はほぼ達成されたのですが、向こうからの画像が幾分不鮮明でカードの判別(○と×)がはっきりできなかったことが残念です。カードの作成に工夫が必要だと思います。
1)言葉の障碍をどこまで克服できるか
2)出席者を全員参加させられるか
3)テレビのビジュアル特性を活かせるか
大きな課題を解決するために、頭を悩ませ、過去の経験を振り返りながら、向こと
もほぼ毎日ファックスの交換をして準備をすすめたので、所期の目標は概ね達成で
きたのではないかと思います。生徒達は大変、満足、感動したようすで、是非2回目をと望んでいます。今回の経験から随分たくさん学ぶことが出来ました。
ご支援ご協力いただいた高木様をはじめ、KDDやメルボルンのTelstraの皆様にお礼
を申し上げます。今後もご協力お願いいたします。
また皆様方より質問やコメントがございましたら、メールやファックスでお願い致
します。
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大阪信愛女学院高等学校:国際教育部長・石部 睦雄
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アンケート結果(生徒用) 回収32名
昨日のイベントから学んだことは何ですか。
海外交流の大切さや友達をつくる楽しさ・ラザホ−ルと信愛の固い絆
ラザホ−ルの雰囲気、様々な人種のこと、生徒の様子や習慣の違い
南半球の国とコミュニケ−ション出来るインタ−ネットのすばらしさ
コミュニケ−ションの難しさ、英語力向上の必要性
準備の大切さ、積極性が必要
多くの人の支え
どんなに機械が進歩しても人と人のつながりはもっと増すのでは
自由に最も印象に残ったことを書いて下さい。
・国境を越えての友情の深さ
・相手校の明るく自由な雰囲気(校則,ボ−イフレンド,アルバイトなど)
・好きな俳優や映画など同じで身近に感じた
・日本について余りにも知らなすぎるし(歌舞伎、文楽などの伝統芸能など)、
日本人として外国の人に誇りをもてるような 国でないような気がする。語学力
向上も必要だし、国際化のために日本人の意識を 変えていかねばならない。
それは私達高校生の役目だと思う。
・他民族国家からか積極的で国際的にみえた。
・手紙なら1週間かかるのに数秒で繋がる不思議さ
その他自由に
来年も是非やりたい。出来れば年に2、3回はしたい
すばらしい経験で楽しかった、有り難うございました
会議を通して早くオ−ストラリアへ行きたくなった
次回は自分で英語で話したい。 司会、進行をしてみたい
オ−ストラリアの友達に会えた気がして嬉しかった(1名)
テレクラス・テレビ会議アンケート(教師用)
学校名:大阪信愛女学院高校
総合評価
非常に良い形でテレビ電話ができたと思います。
姉妹校との交信はやはり暖かいなぁと思いました。
相手校との今後の交流について、どうお考えでしょうか。
海外研修での行き来、文通・メールのやりとりetc.
回を重ねて発展的なものにしたい。
テレクラスをより効果的に利用して頂くために、どのような視点、準備・やり方等が考えられますか。率直にお聞かせ下さい。
事前の教師間の打合せが大切。
語学力の面をとるか、広くみんなに・・をとるかは永遠の課題ですね。
目的をはっきりさせる
テレビ会議の教師限界、欠点を良く知る
TIJ まとめ (アンケ−ト結果からの考察)
記述式アンケ−トだったので生徒の気持ち、考えが素直に表れていて参考になることが多い。オ−ストラリア研修後の2年生の反応を見て、1年生が今後の研修やインタ−ネットすばらしい意欲を示しているのがよく分かる。先生方の意欲や力量が生徒に素直に響きあって、教師と生徒の信頼関係が強く感じられる。今後、テレビ会議前の準備段階でイ−メイルやインタ−ネットを効果的に活用し、日常的に生徒と生徒のつながりを深めれば、本番のテレビ会議では理想的なコラボレ−ションへと発展するのではないだろうか。最後に、テレビ会議を通して、国際化とは?、日本人としての誇りとは?、21世紀へむけての高校生としての役割とは?などを
真剣に考えている生徒が育っていることを嬉しく、頼もしく思い、原文のまま記しておきたい。 〈文責 永井〉
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私にとっては、テレビ会議そのものより前日の打ち合わせの方が印象に残っています。先生に、信愛についてor日本について誇りに思えることは?と尋ねられ、その場では全く答えが出てこなかったことに対し、私は日本人としてとても悲しいし、情けないことだと思いました。その後、家に帰って考えてみて、私は日本の伝統芸能、伝統文化や日本語を話せること(和歌や俳諧があることなど)にはとても誇りをもてるけど、今の日本人としては胸をはれることはほとんどない、という結論に達しました。それに、伝統芸能といっても、実際に それらを分かってい人はとても少ないのが現状だと思います。たとえば、歌舞伎や文楽は有名で外国向けのパンフレットにも出ていますが、私達が鑑賞することはほとんどありません。よく国際化をするには自分の国についてよく知っていることが大切だといわれますが、この状態では、少なくとも私に関しては、日本人として世界の人と交流するのは困難だと感じます。これから世界との交流のため、語学力を高めることなどと同時に、日本についてもっと知り、良い意味で、みんなが日本人として誇りをもてるような国にならなければなりません。日本文化について知ることに関しては、これからの教育を改善していく必要がありますが、日本人としての誇りを持つことは、どうすれば達成できるのか、あまりに大きな問題で私はすぐにここで答えをみつけることはできません。もっと国民全体で受けとめて欲しい問題です。そして国際化のために、日本人の意識を変えていくのは、国際化時代の社会の中心となる私達高校生だと思います。月並みなことかもしれませんが、それをはっきりと感じられたという点で、
私にとって大きな成果がありました。
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参考資料
大阪信愛女子高等学校ーLowther Hall Anglican Grammer School(Melbourne)
The followings are the plan that Japanese students are making.
5 minutes for greetings and introducing (briefly) the participants
Part 1 Showing to each other what's " in " among young people
right now
Starting with Shin -Ai, the students show to each other
@ some of the most popular musicians or actors
by playing their music on a cassette player and showing their
pictures or posters
A latest, popular fashion , hairstyle
by actually wearing them on the camera
B some of the things popular among them
(like Tamagottch or Print Club)
by demonstrating them on the camera
Part 1 will be done within 15 (max 20) minutes by limiting
the time for each presentation on each side to about 2~3 minutes.
Part 2
Questions and Answers Session
Students will ask each other about their daily life to get
to know each other better.
Both Australian and Japanese students will each have a big
O X card ready and answer each other's questions,
like " Do you have a part time job?", by holding the card up
to the camera.
The size of the card will be 40cmX40cm.