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「国際協働学習シンポジウム」開催報告 (旧活動報告会) / アーカイブ      

GIGAスクール時代の学びを拓くため、国内外の他団体と連携し、国際協働学習を軸とした(デジタル・シティズンシップ教育、ESD教育や外国語教育などを含む包括的な研究・提案・発信の場としての「国際協働学習シンポジウム」を開催しました




2020年より学習指導要領前文において、「多様な人々と協働しながら持続可能な社会の作り手の育成」を掲げ、コンピューター生徒一人一台のG I G Aスクール時代となり、日本の各教室から、世界の多様な他者と協働する国際協働学習ができる時代となったと実感しています。
2023年6月、ジェイアーンは、設立20年を機に、国内外の他団体と連携し、国際協働学習を軸とした(デジタル・シティズンシップ教育、ESD教育や外国語教育などを含む)包括的な開かれた研究・提案・発信の場として、「国際協働学習シンポジウム」をスタートさせました。

シンポジウムは3部構成で、1部は基調講演、2部は実践報告、3部ではパネルディスカッションを行いました。20周年記念そしてコロナ禍で4年ぶりのリアル開催ということで、会場は熱気にあふれ、さまざまな人々が出会うエネルギーを感じました。この「国際協働学習シンポジウム」が、今後、日本の教育に貢献できる有意義なものになりますことを心より願っています。

【開催概要

  ・ 名称: 第1回 国際協働学習シンポジウム 
・ テーマ: GIGAスクール時代の国際協働学習
・ 
日時: 令和5611日(日)14:00-17:00

・ 形式: ハイブリッド(会場とオンラインでの登壇・参加)
・ 会場: JICA地球ひろば Room201AB・202AB
             東京都新宿区市谷本村町10-5JICA市ヶ谷ビル内)
・ 主催: NPO法人 グローバルプロジェクト推進機構(JEARN)
・ 協力: JDiCE 日本デジタル・シティズンシップ教育研究会
        公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)
        NPO
法人 地球対話ラボ
 後援: 情報通信月間推進協議会/ 総務省 
        独立行政法人 国際協力機構JICA)
・参加者数:
 会場参加 52名 / オンライン参加 22名  計 74名

【プログラム】      (敬称略)

〇 開会の辞 14:00-14:10  Room201AB
   
挨拶: 栗田 智子 (理事長)
     MC: 長谷川 早百合 (理事)  関根 真理(啓明学園中学校高等学校)




JICA
地球ひろばの会場に、アイアーンの仲間が、20周年のお祝いビデオメッセージを寄せてくれました。海外からの声援を背景に、理事長から、「G I G Aスクール時代の国際協働学習」をテーマに、さまざまな角度から国際協働学習の持つ可能性と課題について、みなさまと考えていければと開催の意義説明と挨拶がありました。


〇第1部【基調講演】14:10-14:40 Room201

講演者 豊福晋平氏  国際大学GLOCOM 主幹研究員 准教授 

G I G Aスクール時代のデジタル・シティズンシップ教育」 

デジタル環境が変える教育 国際協働学習でデジタル・シティズンシップ教育が注目される理由 
  「デジタル・シティズンシップの展開」の3点をお話しいただきました。


要旨は以下の通りです。

1.デジタル環境が変える教育
「教員主導型」から、「学習者中心型」への転換が起こる。昔は、情報は限られた場所でしか得られなかった。その場所が学校であり、メディアは主に書籍であった。そのため、「教員主導」で、標準化された情報を一斉にインプットすることが目的であった。しかし、それとは対照的に、21世紀の情報社会では、誰もが情報に自由にアクセスできるため、「学習者中心」のI C Tの文具的活用による「個別最適な学び」に変わらなければならない。I C Tの文具的活用とは、インプットのために教具としてI C Tを使うのではなく、文具として、デジタル創造、制作、共有といったアウトプットや、授業外で、連絡、やりとりのためにI C Tを使うということである。生徒は個別I Dを持ち、クラウドで協働する。そしてメデイアとして、オーディエンスに向けたメッセージ発信する。しかし、その転換が日本ではまだできていない。

. 国際協働学習でデジタル・シティズンシップ教育が注目される理由
デジタル・シティズンシップは、将来の学びに不可欠である。デジタル・シティズンシップ教育がカバーする領域は広く、メディア情報リテラシーから人権、ウェルビーイングまで多岐にわたる。国際交流をすることで、デジタル・シティシップ教育を行なっている海外との格差が顕在化する。例えば、日本では、ツールとして、「知的生産的活用ができていない」、コミュニケーションとして、「学習者の個別I Dがない」、「フォーマルなデジタル作法を知らない」、メディアとして、「メディア・パワーの行使経験がない」という問題がある。

3. デジタル・シティズンシップの展開
デジタル・シティズンシップをどのように展開していくか、カリキュラムの構成パターンは、4つある。クラスで課題即応型指導、教科横断型クロスカリキュラム、デジタル・シティズンシップ単元として道徳の関連領域を読み替えて実施、保護者との共通認識づくりである。

以上のように、デジタル・シティズンシップは、未来の学びのO Sであり、デジタル・シティズンシップ教育は重要である。


〇第2部【実践報告】14:40-15:30  Room201・202
SDGsに関連するプロジェクトをベースとした、小学校、中学校、高校、大学でのアイアーン国際協働学習の実践事例発表を合計8組行いました。それぞれのプロジェクトを通して、グローバルコンピテンスが育まれていると感じました。

Room 201(メイン会場)
小、中、高校の実践発表
Room 202(第二会場)
大学、ユースの実践発表


(小中高)
1.
Machinto / Hiroshima / Nagasaki for Peace

プロジェクト / デジタル・コミュニティにおける平和の
学び~Pray for
Peace Together with Ukrainian Refugeesの取り組み~

☆栗田 智子(青山学院大学)


(中学校)

2. GOMI on EARTH プロジェクト / 知力と行動力を育む実践

☆若生 深雪(仙台市立上杉山中学校)  

 

(高等学校)

3. Machinto / Hiroshima / Nagasaki for Peace

  プロジェクト/ 異なる文化に暮らす人々と平和への
  いを共有する                 

☆滝本 愛美(山口県立高森高等学校2年)

☆赤松 敦子(山口県立高森高等学校)  


(高等学校)

4. Girl Rising プロジェクト / イランの女子生徒と

  共に学ぶ「女性の人権を守るために」

☆関根 真理(啓明学園中学校高等学校)

(ユース高校生)

1. NDYS 防災世界子ども会議 プロジェクト / 地球市
  民としての協働学習 

ジェイアーン中部センター

高校生代表 橋本 幸明(海星高等学校2年)

(ユース大学生+小)

2. Teddy Bear プロジェクト / 大学生の交流支援と
     今後の課題

人間科学部 清水ゼミ(3年)

清水 和久(金沢星稜大学)

(ユース大学生)

3. Machinto / Hiroshima / Nagasaki for Peace

 プロジェクトとGOMI on EARTH プロジェクト/ 

 国際協働学習のファシリテーター経験を通した学び

国際政治経済学部 学生(2、3年)

岡田 麻唯(青山学院大学) 

(大学+小)

4. Future Teachers プロジェクト KOSKO / 未来の
 教員たちが考える小学生の国際協働学習

長谷川 早百合(明治学院大学) 





「国際協働学習のファシリテータ―経験を通した学び」の実践報告

「未来の教員たちが考える小学生の国際協働学習」の実践報告


〇第3部【パネルディスカッション】15:40-17:00 Room201

GIGAスクール時代の国際協働学習」

  パネリスト  豊福 晋平 (国際大学GLOCOM 主幹研究員 准教授

                   
             藤本 早恵子 (ACCU教育協力部 主任) 

      
          
中川 真規子 (地球対話ラボ)


                阿部 志乃  (横須賀学院小学校 教諭)
   

           勝又 恵理子 (青山学院大学 国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科 教授)

   ファシリテーター 坂本 旬 (法政大学 キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科 教授


  

NPO法人地球対話ラボやACCUからユネスコスクールの実践、そして小学校からデジタル・シティズンシップ教育実践、大学からアイアーンの国際協働学習の実践報告があり、ESD教育、デジタル・シティズンシップ教育、グローバル・シティズンシップ教育について、実践的な議論を行うことができました。 デジタル・シティズンシップ教育はそのまま海外にも通用する考え方だからこそ、これだけウィングの広い議論ができたのだと思います。

みなさまからの貴重なお話とご意見のおかげで、デジタル・シティズンシップ教育の重要性、国際協働学習をとりまく現実の動き、生徒の自立的学習を阻む壁、そして「大学との連携」といった解決の糸口まで、広い視野で、国際協働学習を俯瞰することができました。なにより協力団体との出会いが、大きな一歩となりました。今後も、協力団体との情報交換は大切だと感じました。20年前のジェイアーン設立メンバーから、若い世代へとシフトしていく力に希望の光を見ました。 


                       


〇閉会  17:00 
 



*閉会後の集合写真(会場)




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